近年、犯罪被害者の保護・救済が求められ、司法制度改革によって犯罪被害者の裁判への参加が認められました。
これにより、弁護士や法律家にとって、犯罪被害者と接する機会は増加しています。
本書は、犯罪被害者と接するにあたっての基礎知識も含めた、犯罪被害者支援のための実務の進め方を分かりやすく解説するマニュアルです。
弁護士実務上、犯罪被害者を支援するために押さえておきたい知識や注意すべき点を時系列順に整理し、Q&A形式で分かりやすく解説します。
刑事裁判への被害者参加制度、損害賠償命令制度、検察審査会の起訴議決制度など、近年新たに設けられた制度についても、制度の概要から実際の利用まで丁寧に説明。
「犯罪被害に遭ってしまったが、どこの誰に相談したらいいか分からない」という方にも参考にしていただきたいという編集方針のもと、専門用語はできるだけ使わずに、普段使いの言葉で解説しています。
巻末には資料として、関係団体や困ったときに相談できる窓口の一覧、実務上必要な書式、関係する法令・通知なども収録しています。
目次
1 犯罪被害者支援をするにあたって
受任にあたって/告訴・告発及び証拠収集/マスコミ
2 捜査段階の支援
捜査への対応/加害者との示談
3 不起訴になった場合の支援――検察審査会制度
4 公判における支援とそれに付随する制度
公判手続への対応/被害者参加制度/損害賠償命令制度/被害者等通知制度
5 経済的・精神的な支援の制度
犯罪被害者等給付金制度/その他の支援制度
6 個別の事件における支援
少年事件/DV被害/ストーカー被害
資料編
関係団体・相談窓口等一覧/書式等/関係法令・通知等/参考資料
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編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
法友全期会…
東京弁護士会の会派である「法友会」の会内組織で、研修所修了後15年未満の弁護士約1200名から構成される。
平成22年度の代表幹事は豊崎寿昌弁護士。
平成21年度の代表幹事は中村博弁護士。
犯罪被害者支援実務研究会…
実際に犯罪被害者参加弁護士や、犯罪被害者支援活動の経験をもつメンバーを含め、以下の弁護士21名で構成されている(五十音順)。
井崎淳二、石灰正幸、伊藤献、伊東大祐、稲村晃伸、上條弘次、川義郎、後藤大、榊原一久、渋谷寛、城墻裕行、杉村亜紀子、高城智子、中村博、馬場真由子、日向一仁、屋敷里絵、八掛順子、箭内隆道、矢野直子、吉田武史