本書は、電子書籍のみとなります。
交通事故における損害賠償実務において、今までにない新しい後遺障害である「高次脳機能障害」が問題となっています。
高次脳機能障害とは、医療技術の進歩によって、以前は治癒しなかった脳損傷の治癒が可能となったことに伴い認知されてきた後遺障害類型を言います。
高次脳機能障害は新しい後遺障害であるがゆえに文献が少なく、実務家が事件に対応する際に混乱がみられます。
本書は、高次脳機能障害に関する初歩的な解説を行った上で、集積されつつある裁判例についての分類・分析を加えた実用書です。
特に、後遺障害等級認定や労働能力喪失率、介護費用等の認定に紛争の論点が集約されており、これらの問題を詳説し、紛争の早期解決、交通事故被害者の早期救済に寄与します。
高次脳障害について、脳や神経の仕組みといった初歩的なところから、図表を用いながらわかりやすく解説し、実際の医療現場で使用されている知能検査・テストの内容や診断基準も掲載しています。
さらに判断の難しい後遺障害等級認定や労働能力喪失率の認定、損害額(介護費用)の算定、素因減額等について、多数の裁判例を分類し、詳細に研究・分析しています。
目次
1 高次脳機能障害とは
・はじめに
・脳の構造と機能
・神経の仕組み
・他全6項
2 高次脳機能障害と後遺障害等級認定
・高次脳機能障害の認定基準
・高次脳機能障害における症状固定について
・他全5項
3 高次脳機能障害における労働能力喪失率
・はじめに
・裁判例の検討
4 高次脳機能障害における損害額の算定
・将来の介護費用について
・3級以下の高次脳機能障害でも介護(看視)が必要となる場合
5 素因減額
・はじめに
・素因減額を肯定した裁判例
・他全4項