内容
本書は、15年前に英語版として刊行された「KISS-RAIL」の内容をアップデートするとともに、この間進展した鉄道技術や海外都市への技術協力を通じた知見を加えて、日本語・英語版として刊行された。
鉄道は、現在も交通インフラとして世界各国の社会・経済を支え続けるのみならず、特に都市鉄道技術は、交通渋滞や大気汚染などの都市課題の解決や、生活の安全性・利便性向上、市民のライフスタイル変容に貢献する未来技術である。
アジアやアフリカをはじめモーダルシフトを展開・模索中の各国にとって、先進の統合技術を備えた日本のテクノロジーやマネジメントに寄せる期待は大きい。
計画から建設、運営までのノウハウやアイデアを実務の視点から総合的に解説した本書は、今後、各国語への翻訳も予定されている。
開業後のオペレーションに注目が集まりがちな鉄道技術であるが、本書では、導入に至る政策決定やF/S、財政措置、運営や工事手法のバリエーション、都市開発への展開など、中長期のタイムラインに即した貴重なデータや実践的な解説も充実している。
豊富な写真や図版をオールカラーで掲載した本書は、50本近いコラムや巻末資料には充実した論考集も加え、事業関係者や施工者・技術者のみならず、ユーザーや愛好家にもわかりやすい内容とスタイルなっている。
目次
序 章 なぜKISS-RAIL 2.0なのか
第Ⅰ章 都市鉄道の成立条件
第Ⅱ章 プロジェクトの計画から工事着手まで
第Ⅲ章 事業の評価
第Ⅳ章 都市鉄道システムの計画と設計
第Ⅴ章 財源の調達と財務
第Ⅵ章 運営方式の設計
第Ⅶ章 地域開発との連携
第Ⅷ章 輸送のシームレス性と統合性の確保
第Ⅸ章 建設の実行
第Ⅹ章 都市鉄道の接続的オペレーション
第Ⅺ章 収益増加の方策
終 章 これからの海外都市鉄道
付属資料