「児童虐待情報共有システム」の運用を開始【埼玉県】
埼玉県(737万7300人)は、新たな児童虐待防止対策として、児童相談所と県内警察署がリアルタイムで情報を共有する「児童虐待情報共有システム」を今年1月27日から運用している。
県の児童虐待通告数は18年度に過去最高の1万5534件を記録。そのうち65%が警察からの通告で、県と警察の連携・情報共有の重要性が増していた。そのため県は、18年8月に虐待情報(児童の氏名・住所・虐待の種別)の県と警察本部での全件共有を開始。児童相談所に通告があった虐待事案の情報を月1回更新し、各警察署は警察本部へ電話して情報を確認する体制を構築した。その結果、児童の保護など適切な対応につながったケースもあり、成果は上がっていたものの、情報がリアルタイムではなく、また警察署が直接情報を確認できないなどの課題があった。
新たなシステムは、児童相談所が過去の通告状況や一時保護歴など、より詳細な情報を随時更新するとともに、各警察署が情報を直接閲覧できるようにしたのが特徴で、全国初のシステムという。
また、県は、関係13団体で構成する「県児童虐待防止対策協議会」を設立し、全県での虐待防止体制を整えた。
(
月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)