新潟県中越沖地震の影響で、トヨタなどの生産がストップするなど、自動車メーカーが大打撃を被った2007年7月以降、災害や事故に見舞われた企業の「事業継続」はいっそう重要視されています。
本書は、最新動向の調査結果に基づき、BCP(事業継続計画)、BCM(事業継続マネジメント)実践のポイントを解説し、導入により平時の企業評価を高める方策を示すものです。
内部統制やCSR、経営改革と連動した効率的な進め方を紹介し、中小企業や行政の今後の取組みを応援します。
いつ起こるかわからない事故や災害に対して、BCPを策定することはあらゆる組織にとって喫緊の課題となっている一方で、対策の費用対効果に悩まされる担当者も少なくありません。
民間企業はもちろん自治体の危機管理・防災担当者必備の1冊です。
事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)とは……
企業や公的組織が災害、事故の被害により平時の業務の中断を余儀なくされた場合、活動の中断をなるべく発生させず、できるだけ早期に回復させるための経営マネジメント戦略のこと。
この手段として企業等が定める計画を、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)という。
具体的には、指揮命令系統の明確化、本社等の重要拠点の機能確保、情報システムのバックアップ、対外的な情報発信、迅速な安否確認等がある。
目次
1 事業継続計画(BCP)の意義と必要性
2 BCPの導入経緯と期待される効果
3 BCP、BCMの経済効果とは
4 BCPの重要項目とその普及度
5 BCPの普及ツール――中小企業を中心に
6 都道府県の中小企業BCP支援策
7 行政のBCPの必要性と特徴
8 今後の普及・展開に向けて
・資料
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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
丸谷浩明…まるや・ひろあき/京都大学教授