石原信雄回顧談 一官僚の矜持と苦節

自治官僚として今日の地方財政制度の基盤を築き、 内閣官房副長官として7人の内閣総理大臣に仕えた石原信雄氏の足跡!


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二つの公務員のタイプ柴田VS松浦VS首藤…………7石原僕は、そういう意味ではあまり攻めたり、詰めたりする方ではないね。どちらかというと協調体制。例えば、僕が長かった地方財政の仕事だが、これは要するに大蔵省、今の財務省との財源の奪い合い。中央政府がどれだけ使うか、地方団体がどれだけ使うか。その財源をどう分かち合うかということのいわば結晶だから。そのときに僕が仕えた上司でも二つのタイプがあって、「自分の要る分だけは要求してとことん降りるな、大蔵省と徹底的にやる」という先輩もいたし、「国の懐は決まっているのだから、当方の事情は主張はするけれど、向こうだって国全体の立場でやっているのだから、そこはある程度は理解していかなければいけない」という両タイプがあったね。僕は、相手の立場には基本的に理解を示して、収めるところで収める。しかし、それは安易に向こうの言いなりになるというのではなくて、当方も主張すべきは主張するけれども、収めどころを考えていくという生き方だね、僕は。‒部下から見ると、とにかく尻ばっかりたたかれて、行け行けドンドンで、あと、おれは知らんというのは一番困るんですがね。石原そういう意味では、長く僕が仕えた柴田護さんは、主張すべきはしていたけれども、やっぱり相手の立場も常に頭に置いてやっておられたと思うね。柴田さんのときは大蔵省からかなり取るものは取ったけれども、相手に恨みは残っていないんだ。大蔵省のカウンターパートは鳩山一郎さんだったが、結局役人辞め


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