教育ニュース

 SNSを活用した相談体制の構築へ
~いじめなどの児童生徒の悩みに対応~

 文部科学省は5月9日、いじめ防止対策協議会「SNSを活用した相談体制の構築に関する当面の考え方(最終報告)」(3月28日付)を同省Webサイト上で公表。近く、中央教育審議会初等中等教育分科会にも報告する運びだ。平成29年8月の中間まとめ公表後に発生した神奈川県座間市における事件(高校生3名を含む9名の殺害事件)を受けて、最終報告では、ネットを通じて自殺願望を発信する若者が適切な相談相手にアクセスできるよう、SNSを活用した相談体制の構築が喫緊の課題となっていると、強い調子で警鐘を鳴らしている。

 今日スマートフォンの普及に伴って、若年層のコミュニケーション手段はSNSが圧倒的な割合を占めている。平成29年総務省調査によると、10代のコミュニケーション系メディアの平均利用時間(平日一日あたり)は、携帯通話2.7分に対し、ソーシャルメディア利用は58.9分であるという。より身近で抵抗感の少ない相談窓口として、今後「SNS」に寄せられる期待は大きい。

 同報告では、将来的には24時間365日受付も視野に入れるが、試行段階では児童生徒が相談しやすい平日の17~22時、気分が落ち込みやすい長期休業明けや日曜日などに受け付けることを提案。

 臨床心理士や教員経験者など専門家のほか、「SNS世代」の学生など若年層のコミュニケーション事情を熟知した者を組み合わせた相談体制を、とする。課題としては、自殺ほのめかしがあった場合など緊急時の対応(できるだけ早く音声通話による相談への切替えを図る等)が挙げられている。

 文部科学省は同報告を踏まえ、平成30年度以降「SNS等を活用した相談体制の構築事業」を推進、全国展開に向けての実証を行う。

 

 ▽さらに詳しい内容はこちら
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/131/houkoku/1404563.htm




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