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小学校英語などを視野に弾力的時間割の調査研究がスタート

 文科省は8月7日、「これからの時代に求められる資質・能力を育むためのカリキュラム・マネジメントの在り方に関する調査研究」の概要を発表した。新学習指導要領では、外国語活動・外国語教育については、小学校3年生から6年生までの年間標準授業時数が35単位ずつ増加される。移行措置では、総合的な学習の時間を最大15単位時間まで活用できることが示されたが、平成32年からの完全実施を踏まえ、外国語教育のカリキュラム・マネジメントとともに、他教科等などの関連も含め、年間指導計画を弾力的に運用する工夫などについて研究することがねらいだ。実践校を指定し、一部前倒しを含め、原則平成30年度から研究を進める。指定は10県市区町教育委員会と岐阜大学教育学部附属小。各教委ごとに5校程度を指定した。内訳は小学校38校、義務教育学校2校、小中一貫教育校1校の計41校。

 この調査研究については、「週当たり授業時数や一単位時間の授業分数についての工夫を行う場合」と「年間授業日数の在り方についての工夫を行う場合」の2面から研究を行う。

 「週当たり授業時数や一単位時間の授業分数についての工夫を行う場合」については、「15分等の短時間を活用した柔軟な時間割編成」や「45分によらない時間等をすべての授業の標準としていくこと」などを研究する。岩手県大槌町では、短時間を活用した時間割の編成として、15分、30分を活用した授業や45分と15分の組み合わせによる60分授業の実施、また1コマ50分を標準とした時間割の編成について実践研究を行うとしている。

 「年間授業日数の在り方についての工夫を行う場合」については、各教科等の特質に応じた年間指導計画の在り方についての研究を行うとしている。佐賀県武雄市では、「特定の期間における特定の教科等の集中的な実施」として、夏季休業期間における外国語科の授業の集中的な実施についての実践研究が予定されている。

 各学校では、標準授業時数に上乗せして年間指導計画を作成しているのが一般的だ。風水害や悪天による行事の差替え、インフルエンザや事件・事故等などの危機管理の側面から、現在でも計画されている授業時数は飽和状態にある。学校によっては、日課表を工夫し、午前を5コマ授業としたり、日課表を複数パターンにして進捗状況に応じた弾力的な運用を図っているところも見受けられる。学校週5日制といいながら、週5日の授業時数が確保されるのは20週前後といった現状だ。35時間の授業時数上乗せにどう対応するか。学校現場の創意工夫とともに、国・教委の条件整備も求められることになろう。


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