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最先端で活躍する気鋭の弁護士・弁理士・公認会計士・税理士に学者や国際機関の実務家が解説する待望の“仮想通貨の実務書”/ぎょうせいオンライン

本書の特色

 最先端で活躍する気鋭の弁護士・弁理士・公認会計士・税理士に学者や国際機関の実務家が解説する待望の“仮想通貨の実務書”


仮想通貨をめぐる法制度の整備も進む昨今、法務・税務の実務は、
「仮想通貨とはどのようなものか」
「仮想通貨の実現を可能にしたブロックチェーンとはなにか」
といった基本知識を押さえることは必須です! 仮想通貨がテーマの書籍が乱立する中、仮想通貨に関連する法律(民商事法、知財法、決済法、金商法、情報法etc.)、税務・会計の知識、諸外国の動向まで、網羅的にまとめた“実務書”です!


「はじめに」より

 仮想通貨がニュースで話題にならない日はない。平成30年5月初めでは、仮想通貨の時価総額は、40兆円を超えているといわれている。 今や仮想通貨は、経済だけでなく、社会全体に影響を及ぼしている。
そして、このような仮想通貨の普及を受け、仮想通貨を本格的に制度として受容すべく、その位置付けにつき、整備が進みつつある。
すなわち、根拠法たる資金決済法が平成28年6月に改正され、これにより、仮想通貨に法律上の根拠が与えられるとともに、税務関係では平成29年3月に公布された消費税法施行令で消費税は非課税とされることとなった。さらに、法人の会計処理についても実務が固まりつつある。
もっとも、仮想通貨は多様な要素から成り立っており、上記の枠組みだけでは、必ずしも捉えきれるものではない。たとえば、多様な利用のされ方をする仮想通貨を規制するには、資金決済法に加え、民商事法、
さらには、知財法、決済法、倒産法、金商法、情報法など他の法律との関係も重要になる。税務や会計に関する理解も欠かせない。
もちろん、仮想通貨をめぐる諸外国の動向や、仮想通貨の実現を可能にしたブロッ クチェーンについても理解が必要である。
そこで、編著者らは、弁護士、税理士、公認会計士、弁理士等の実務家、企業の最前線で仮想通貨を取り扱っておられる方々、又は取り扱おうとされている方々を対象に、上記のような仮想通貨の全体像を理解し ていただくべく、本書を編むことにした。仮想通貨については、さまざまなビジネス書が公刊されている。本書は、それらと異なり、あくまでも「実務書」であることに拘泥して編まれている。
特に、本書の特徴としては、以下の点が挙げられる。
① 仮想通貨に関する実務に精通した著者が、それぞれの専門分野について著述していること
② 税務上の実務と会計上の処理を明確に区別し、それぞれについて個別かつ詳細に著述していること
③ 資金決済法だけでなく、知財法など他の法体系との関係について、大きく取り扱っていること
最後に、編著者らとしては、実務家が、本書を入門として、仮想通貨の位置付けについて理解を深めるとともに、その健全な発展に寄与されることを祈念したい。

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目次

+ Ⅰ 総論
 1 仮想通貨をめぐる現状
  1.仮想通貨の登場と仮想通貨への期待
   ⑴ はじめに
   ⑵仮想通貨に関するリスク
   ⑶ 仮想通貨に対する期待
  2. 現行法における「通貨」の取扱い
   ⑴ はじめに
   ⑵現行法における「通貨」
  3.資金決済法における仮想通貨
  4. 本書の構成

 2 さまざまな仮想通貨
  1.仮想通貨の用途
   ⑴ 投機・投資の対象
   ⑵決済手段
   ⑶ 送金手段
  2. 仮想通貨の種類
   ⑴ ビットコインとアルトコイン
   ⑵銀行が発行する仮想通貨
  3.主要なプレイヤー
   ⑴ マイナー(採掘者)
   ⑵仮想通貨交換業者
   ⑶ ユーザー
   ⑷ 仮想通貨の開発者
  4. ICO

 3 欧州における仮想通貨の現状
  1.はじめに
  2. 仮想通貨に対する規制に向けた国際的な動向
   ⑴ 仮想通貨に関するECB報告書
   ⑵FATF の勧告
   ⑶ G7 エルマウ・サミット
   ⑷ G20 財務相・中央銀行総裁会議(於:ブエノスアイレス)
  3.EUにおける仮想通貨に対する規制
(第4次マネーロンダリング指令の改正)
   ⑴ 経 緯
   ⑵第4 次マネーロンダリング指令の改正の内容
   ⑶ 今後の見通し
  4. 仮想通貨の交換取引が非課税対象に該当する旨の判例
   ⑴ 事 案
   ⑵欧州司法裁判所の判断
   ⑶ 検 討

 4 アメリカにおける仮想通貨の現状
  1.はじめに
  2. 仮想通貨の概念の登場
  3.シルクロード事件と金融犯罪執行ネットワーク(FinCEN)
  4. 米国歳入庁(IRS)
  5. 米国証券取引委員会(SEC)
  6. 米国商品先物取引委員会(CFTC)
  7. 拡大する仮想通貨市場と広告掲載禁止の動き
  8. おわりに

 5 仮想通貨の設計にあたっての税制上の留意点
  はじめに
  1.所得課税を回避するような設計
  2. 法定通貨との交換比率を固定するような設計
  3.コンセンサスアルゴリズムの設計
  4. 個性を付与するような設計
  5. その他
+ Ⅱ 仮想通貨を支える技術・法制度
 1 ブロックチェーンと情報法
【ブロックチェーンとは】
  1.概 要
  2. システム
   ⑴ 概 要
   ⑵技術要素
  3.主体による分類
   ⑴ 概 要
   ⑵Unpermissioned型とPermissioned型の特徴
  4. 特 徴
   ⑴ 障害に強い(可用性、冗長性が高い)
   ⑵改ざんが極めて困難(改ざん耐性、不可逆性が高い)
   ⑶ ビザンチン障害耐性を獲得
   ⑷ 中央集権的な管理体が不要
  5. 適用範囲
   ⑴ 適用可能分野
   ⑵エストニアの例
   ⑶ IoT との関係

【情報法の観点からの検討】
  1.ガバナンス上の特徴と問題点
   ⑴ Unpermissioned型特有の問題
   ⑵Permissioned型特有の問題
  2. 個人情報・プライバシー保護
   ⑴ 問題点
   ⑵個人情報に関する注意点
   ⑶ プライバシーに関する注意点
   ⑷ 今後の課題
  3.情報セキュリティ
   ⑴ ブロックチェーン自体の安全性
   ⑵取引所の安全性
   ⑶ ソフトウェアの安全性
   ⑷ 対 策
  4. 商取引上の問題
   ⑴ どのような法理が適用されるか不明
   ⑵最終確定しないこと
  5. スマートコントラクト
   ⑴ 概 要
   ⑵特 徴
   ⑶ 課 題
  6. ブロックチェーンの標準化
   ⑴ 概 要
   ⑵国際的な動き
  7. マネーロンダリング対策

 2 仮想通貨の設計と知財法
  1.仮想通貨の外延
  2. 特許法との関係
   ⑴ 発明の要件
   ⑵ソフトウェア関連発明の取扱い
   ⑶ 発明の種類
   ⑷ 特許要件
   ⑸ 特許出願時の留意点
   ⑹ 出願書類の記載要件
   ⑺ 特許権の効力
  3.実用新案法との関係
  4. 著作権法との関係
  5. 不正競争防止法との関係
  6. 権利侵害
+ Ⅲ 資金決済法にみる仮想通貨
 1 仮想通貨をめぐる制度の概要
  1.はじめに
  2. 資金決済法上における「仮想通貨」の取扱い
   ⑴ 改正資金決済法による「仮想通貨」「仮想通貨交換業」の定義
   ⑵「前払式支払手段」との対比
   ⑶ 「前払式支払手段」における発行保証金規制:参考
  3.裁判例にみる分別管理
~東京地判平成27年8月5日を素材として~
   ⑴ はじめに
   ⑵東京地判平成27 年8 月5 日について
   ⑶ 最判昭和43 年7 月1 1 日民集22巻7号1313 頁との対比
  4. 結びに代えて

 2 仮想通貨と電子マネーの異同
  1.法律上の「仮想通貨」
   ⑴ 資金決済法及び関連するレギュレーション
   ⑵仮想通貨の定義
   ⑶ 仮想通貨の特徴
  2. 電子マネーの概要
   ⑴ 電子マネーの種類
   ⑵電子マネーに対する規制
   ⑶ ポイントサービスのポイントの取扱い
  3.資金決済法の規制の概要
  4. 前払式支払手段に関する規制
   ⑴ 規制対象
   ⑵規制内容
  5. 仮想通貨交換業者に対する資金決済法の規制
   ⑴ 仮想通貨交換業者
   ⑵登 録
   ⑶ 仮想通貨交換業者の義務
   ⑷ 金融庁による監督
  6. 犯罪収益移転防止法の規制
   ⑴ 犯罪収益移転防止法の概要
   ⑵仮想通貨交換業者に対する規制
   ⑶ 規制対象
   ⑷ 規制内容
+ Ⅳ 仮想通貨の利用と法制度
 1 仮想通貨の利用と決済法との接点
  1.序 説
  2. 改正資金決済法における仮想通貨の取扱い
   ⑴ 総 説
   ⑵仮想通貨の定義
  3.決済法制からみた仮想通貨の位置付け
   ⑴ 総 説
   ⑵仮想通貨の私法的側面
   ⑶ 仮想通貨の公法的側面

 2 仮想通貨の利用と倒産法との接点
  1.はじめに
  2. 資金決済法における『仮想通貨』
   ⑴ 資金決済法上の『仮想通貨』の定義
   ⑵資金決済法上の『仮想通貨交換業』と行為規制
  3.マウントゴックスの事例
   ⑴ 取引所が破産した場合の顧客の権利
   ⑵顧客の取引所に対する債権が破産債権とされた事例
   ⑶ 本判決の検討
  4. 破産法における取戻権行使のための法律構成
   ⑴ 破産法上の取戻権
   ⑵仮想通貨についても物権法の適用を認める見解
   ⑶ 仮想通貨に信託関係上の権利を認める見解
   ⑷ 問屋が委託者のために物品を買い入れた場合と同様に考える見解
   ⑸ 小 括

 3 仮想通貨の利用と金商法との接点
  1.金商法の適用対象
  2. 金商法上の有価証券とは
   ⑴ 金商法上の有価証券となるには
   ⑵2 条 1 項の有価証券
   ⑶ 2 条2 項前段の有価証券
   ⑷ 2 条2 項後段のみなし有価証券
  3.金商法上のデリバティブとは
   ⑴ デリバティブ取引とは
   ⑵ デリバティブ取引の種類
   ⑶ デリバティブ取引の内容を規定するもう一つの要素
  4. 仮想通貨はデリバティブ取引の原資産となり得るのか
  5. 仮想通貨を組み込んだデリバティブ取引販売時の問題
おわりに
+ Ⅴ 仮想通貨に関する税務・会計
 1 仮想通貨に関する税務
  1.概 説
   ⑴ はじめに
   ⑵ 「仮想通貨」の範囲

  2. 国税庁が明らかにしている取扱い
   ⑴ 仮想通貨の売却
   ⑵ 仮想通貨での商品の購入
   ⑶ 仮想通貨と仮想通貨の交換
   ⑷ 仮想通貨の取得価額
   ⑸ 仮想通貨の分裂(分岐)
   ⑹ 仮想通貨に関する所得の所得区分
   ⑺ 損失の取扱い
   ⑻ 仮想通貨の証拠金取引
   ⑼ 仮想通貨のマイニング等

  3.その他
   ⑴ ICO
   ⑵ 仮想通貨Air Drop
   ⑶ マイニング投資
   ⑷ 仮想通貨の時価把握
   ⑸ 国外転出時課税制度(出国税)

 2 仮想通貨に関する会計
はじめに
  1.仮想通貨に関する会計基準等の整備状況
   ⑴ 日本における会計基準等
   ⑵海外における会計基準等
  2. 「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」(実務対応報告38号)の解説
   ⑴ 総 論
   ⑵ 仮想通貨の性格
   ⑶ 仮想通貨に係る会計処理の実務上の取扱い
  3.その他の仮想通貨に係る代表的な経済事象
   ⑴ 実務対応報告38 号と他の会計基準との関係
   ⑵仮想通貨を支払手段とした販売取引
   ⑶ マイニングによる仮想通貨の取得
   ⑷ ICO について
索  引
編著者略歴・執筆者一覧

著者略歴


松嶋 隆弘(まつしま・たかひろ)

日本大学教授、弁護士(みなと協和法律事務所) 昭和43年9月生。前私法学会理事、前空法学会理事。元公認会計士試験委員。 主要著作として、上田純子=松嶋隆弘編『会社非訟事件の実務』(三協法規出版株式会社)、上田純子=菅原貴与志=松嶋隆弘編『改正会社法 解説と実務への影響』(三協法規出版)等多数。


渡邊 涼介(わたなべ・りょうすけ)

弁護士(光和総合法律事務所)、元総務省総合通信基盤局専門職 主要著作として、『企業における個人情報・プライバシー情報の利活用と管理』(青林書院)。

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