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投資的経費に対する算定…………161投資的経費に対する算定‒投資的経費に対する地方交付税の算定は大きなテーマですが、ここがいちばん誤解が多い部分であり、また時代を追って考え方が大きく変わってきた印象が強くあります。石原昭和二五年の地方財政平衡交付金のスタートのころは、経常経費の財源不足を補塡することが中心でしたので、投資的経費についてはほとんど起債だったわけです。ですから普通交付税の基準財政需要額の算定上も単位費用のなかで、例えば学校とか庁舎とか想定される公共施設の建設費については減価償却費を算入するということにとどまっていた。一方現実の投資的経費については、国庫補助のあるものは国庫補助の残りについて地方債を充当する。考え方としては、地方債の元利償還金の財源は単位費用に含まれている減価償却費で対応するとしました。一方、当時は基準財政収入額は標準税収入の七割でしたから、三割部分についてはその団体が自由に使える、カウント外の部分でした。そのなかでは経常経費についても基準財政需要額で把握されていない部分への対応、あるいは単独施策に充てている部分とさらに投資的経費に充てている部分とがあって、それらはそれぞれの団体の問題であると割り切って、地方平衡交付金の算定上はそこには立ち入らないという考え方だったんです。そういう考え方が根底にありまして、それは基本的には地方交付税制度のスタートのときもそう変わっていないんです。基本的には、地方財政平衡交付金時代の投資的経費の考え方はそのまま地方交付税制度でも