
特集:SDGs×自治体
SDGs(持続可能な開発目標)をめぐる動きが活発になってきた。SDGsは、先進国、開発途上国を問わず、経済・社会・環境にかかわる広範な課題に、行政・企業・市民などすべての関係者が統合的に取り組むものだが、暮らしの現場である地域を担う自治体に期待される役割は大きい。SDGsが掲げる17のゴールに関する施策は自治体ですでに取り組まれているものが少なくないが、国際的なレベルでの達成に向け、多くのステークホルダーが参画するなかで、どう統合的に進めていくかが問われる。国内におけるSDGs推進を検討していた政府は、昨年12月に「アクションプラン」を策定。今年6月には「SDGs未来都市」を選定し、自治体向けのモデル事業も始まる。今月は「SDGs×自治体」について考えてみたい。
■自治体×SDGsの可能性
/蟹江憲史 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科、同環境情報学部教授

■SDGsの世界的動向と地方自治体の役割/竹本和彦
■自治体はどうSDGsを進めるべきか
──ガイドラインを活かした実装方法/村上周三
■自治体・地域の目線から見たSDGsを考える/枝廣淳子
■「誰一人取り残さない」社会をどう実現するか
──NPO・NGOの視点から/新田英理子
■企業にとってのSDGsとは/有馬利男
〈取材リポート〉自治体SDGs最前線
◇循環型森林経営を基盤に自治体SDGsモデルを築く
/北海道下川町
◇SDGs推進本部を設置し産官学民連携で取組みを推進
/石川県白山市
◇「いつまでもみんなで助け合う」をコンセプトにやさしいまちづくりを推進
/兵庫県明石市
スキルアップ特集:仕事力を高める説明のスキル
日常の仕事の中で、「説明をする」場面はたくさんあります。広報や住民への様々な説明をはじめ、役所内部では、会議での説明、上司から部下への指示、あるいは部下から上司への報告や相談など。しかし、相手に正しく伝わっていないため、誤解が生じたり、業務がスムーズに進まないといったケースもあるのではないでしょうか。どうすれば相手にわかりやすく伝わる説明ができるのか、"説明力"アップを目指しましょう!
◆説明しないで説明する
──時代の変化に合わせた新しい説明環境とは/島田英昭
◆活力あふれる強靭な自治体をつくる「言葉力」
──豊かなコミュニケーションで、時代を担う強い自治体へ/山梨秀樹
〈取材リポート〉
◇メディアミックスで発信する「物語の生まれるまち あびこ」/千葉県我孫子市
スキルアップ連載
■管理職って面白い!/定野 司
■ファシリテーションdeコミュニケーション/加留部貴行
■職場の問題解決!事例で学ぶ人財マネジメント講座/高嶋直人
■クレーム対応駆け込み寺/関根健夫
■一歩前へ!30代に贈る“錆びない”自分磨き/堤 直規
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●Governance Topics
□所有者不明土地問題の今後の論点を探る
/東京財団政策研究所フォーラム
□政・民・学・官オープンイノベーションフォーラムを開催
/かながわオープンデータ推進地方議員研究会
□市民の「現実」に関心を持ち、自治の裾野を広げていくべき
/「議会と政治」のあり方をめぐりシンポジウム開催
□「農山村の“教育力”」をテーマに設立12周年シンポジウムを開催
/中山間地域フォーラム
□対話で、東北から「公務員の姿」を変えよう!
/東北OM勉強会in郡山
取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像/橋本正裕 茨城県境町長
「選ばれるまち・住みやすいまち」を目指し、スピード感ある政策を展開。
今年4月1日時点で、14年ぶりに13人の人口増加を達成した茨城県境町。「選ばれるまち・住みやすいまち」を目指し、「スピード感」ある政策を進める橋本正裕町長に聞いた。

人口増を果たした子育て支援策が注目されるが、「実は高齢者支援や農業振興にも力を入れている」と語る。「道の駅さかい」にて、低温製法で2割美味しいという境町産コシヒカリのパックごはんをPR。
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
遠距離通勤の現実【「双葉消防」125人の7年間(18)】
原発事故、続く苦悩
大規模な原発事故が起きると、住民は遠方に避難せざるを得なくなる。消防士の家族も例外ではない。だが、双葉地方広域市町村圏組合の消防本部は公共機関で唯一、双葉郡内に残ったため、消防士は家族と離ればなれになった。自宅から通えるようになっても遠距離通勤を強いられた。
□現場発!自治体の「政策開発」
先人の農業や暮らしの知恵と農村景観を未来づくりに活かす
──世界農業遺産「大崎耕土」によるまちづくり(宮城県大崎市))
宮城県大崎市は、古くから根づいている発酵食文化と温泉や豊かな自然環境などの地域の魅力を全国に発信するため、「ふつふつ共和国」と銘打ってブランド化とプロモーションに力を入れている。また、周辺4町と大崎地域の世界農業遺産を申請し、東北初の認定を受けた。巧みな水管理など農業に対する先人の知恵と屋敷林等の農村景観、豊かな生物相などを守り育み、未来の地域づくりにつなげる取り組みを開始している。
□人口減少・地域再生に挑む/葉上太郎
卒業生は「故郷」に帰る
──村立高校(上)・北海道音威子府村
過疎化や少子化を背景に、全国の公立高校で統廃合の嵐が吹き荒れている。そうした中にあって、村立高校として学校を維持している小さな村が、全国に三つある。いずれも北海道にあり、北海道おといねっぷ美術工芸高校(音威子府村)、北海道真狩高校(真狩村)、北海道留寿都高校(留寿都村)だ。特に音威子府村では、村外から入学し、寮で3年間過ごした卒業生が次々と村に「Uターン」して、新たな村の活力になろうとしている。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
「議会のチカラで日本創生」を
──全国地方議会サミット2018
ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟は7月11~12日、都内の早稲田大学大隈講堂で「議会のチカラで日本創生」をテーマに全国地方議会サミット2018を開催した。サミットには、過去最高の約1000人の自治体議員・職員などが参加。「地方創生時代を議会がリードする」との意気込みにあふれたサミットは大いに盛り上がった。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 結愛ちゃんの虐待死を悼んで
□「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ/後藤好邦
役所人生で最もインパクトがあった出来事は?──係長昇任の衝撃
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 佐藤一斎(四) 現代を生きる言志録の言葉
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□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□「立法分権」の戦略/礒崎初仁
□AI・地域・幸福──自治体公共政策の新展開
/広井良典+京都大学こころの未来研究センター+日立京大ラボ・北大ラボ
□いのち支える人々──自殺対策の現場から/玉木達也
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『ヤングケアラー──介護を担う子ども・若者の現実』澁谷智子]
カラーグラビア
□自治・地域再興
[本橋 豊・自殺総合対策推進センター長]
困難を抱えていても、人々が暮らしやすい、生き心地のいい社会に

16年4月に国の自殺対策の中核機関である「自殺総合対策推進センター」の初代センター長に就任した本橋豊氏。秋田大学時代には、自殺総合対策の先駆けとなった「秋田モデル」の確立に携わるなど、日本の自殺対策を牽引してきた一人だ。自治体の取り組みを支援するセンター長として、「自殺率の地域格差を減らしていきたい」と話す。
□山間海間/芥川 仁
海が育む歴史と絆──千葉県勝浦市川津
□手業手技/大西暢夫
こだわりの「作品」をつくる──雲州そろばん職人・内田文雄(島根県奥出雲町)
□ドキュメントW──戦火の日常を撮る/綿井健陽
民族の独立と“住民投票”
□人と地域をつなぐ─ご当地愛キャラ
□クローズ・アップ
全高校生が参加する村民運動会──北海道音威子府村
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■DATA・BANK2018 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
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*「もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク」「人と地域をつなぐ─ご当地愛キャラ」は休みます。