
特集:循環型地域経済へのアプローチ
4月10日、国立社会保障・人口問題研究所が新たな人口推計を公表した。前回からややペースは緩やかになったものの、日本が急激な人口減少と超高齢社会を迎えることに変わりはない。市場が縮小し、担い手が減少していくなかで、自治体はどう持続可能な循環型の地域経済をつくっていくかが問われる。これまでも内発的発展の重要性が唱えられてきたが、最近では、RESASなどの地域経済分析の活用、地域金融機関の地域密着型へのシフト、若者世代の田園回帰など後押しする動きも出てきた。今月はこうした新しい展開なども踏まえて、循環型地域経済へのアプローチを考えてみたい。
■内発的地域経済の形成と自治体の役割/小田切徳美 明治大学農学部教授

■地域内経済循環力の再生と持続可能な地域づくり/吉田敬一
■地域経済構造分析と循環型経済への自治体戦略/中村良平
■循環型地域経済実現のための地域金融機関の役割と地域内連携/家森信善
■地域の力を高める社会的投資の可能性/深尾昌峰
■データ分析と統計の活用で“地域を考える”子どもを育てる/渡辺美智子
〈取材リポート〉
◇地域経済循環分析に基づき持続可能な産業の発展を目指す/熊本県水俣市
◇地域の中小企業支援に向けて全国に広がる「f-Biz」モデル
/静岡県富士市(f-Biz)+巣鴨信用金庫(S-biz)
◇地域資源を未来投資につなげる「東近江三方よし基金」を創設へ/滋賀県東近江市
スキルアップ特集:動画を活かしたまちづくり
PR動画や行政広報など、全国の自治体で動画を活用した情報発信が行われています。動画が注目されて、まちを知ってもらうきっかけになったり、市民の地域への関心が高まるなどの効果をもたらしているようです。初心者向けの動画づくりのノウハウを学び、他の自治体の事例も参考にしながら、動画づくりにチャレンジしてみませんか?まちの活性化や市民サービス向上につながるように!
■プロが教える!はじめての動画づくり~企画から公開までのポイント/渡川修一
〈取材リポート〉
◇制作費9500円のPR動画でふるさと納税に大きく貢献/長野県小諸市
◇「日南市役所好きぃ~部」が毎月3本以上の動画を制作・配信/宮崎県日南市
スキルアップ連載
■管理職って面白い!/定野 司
■ファシリテーションdeコミュニケーション/加留部貴行
■職場の問題解決!事例で学ぶ人財マネジメント講座/高嶋直人
■クレーム対応駆け込み寺/関根健夫
■上司が知っておきたいメンタルヘルスケア/清水隆司
■いい役所をつくろう!~みんなが主役の自治体改善運動/自治体改善マネジメント研究会
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●Governance Topics
□横浜から「官民データ活用とオープンイノベーション」を発信!
/かながわオープンデータ推進地方議員研究会が緊急フォーラム
□議会改革第2ステージに向け、議会事務局の「カタチ・シゴト」を多角的に議論
/議会事務局シンポジウム
□日本とドイツの自治体首長らが人口動態の変化などについて議論
/日独自治体シンポジウム
□児童相談所に配置される弁護士には何が求められるか
/シンポジウム「児童相談所の未来と弁護士の役割」
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取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像/土田正剛 山形県東根市長
教育に力を注いでいる地域は滅びることはない。それが私の信念だ。
山形県内で唯一、人口が増加し続けている東根市。さくらんぼと工業団地、そして子育てと教育のまちづくりで東根の未来を描く土田正剛市長に聞いた。

□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
東京消防庁より先に、給水に出る【「双葉消防」125人の6年間(4)】
原発事故、続く苦悩
冷却水が不足し、メルトダウンが始まった原発の給水に駆け付けたのは、東京消防庁が最初ではない。双葉地方広域市町村圏組合消防本部だった。1号機建屋が爆発し、飛散したコンクリートや放射線量がどうなっているか、詳しい情報がなかったにもかかわらず、隊員達は原発構内へ向かったのだ。そうして活動していた最中に、3号機建屋が爆発する。
□現場発!自治体の「政策開発」
“現代版家守”事業で中心市街地の再生を図る
──そうかリノベーションまちづくり(埼玉県草加市)
埼玉県草加市は、賑わいを失った草加駅東口周辺中心市街地の再生に向けて「そうかリノベーションまちづくり」を推進している。民間主導の公民連携によって空き店舗など遊休不動産の利活用を図り、新たなコンテンツとビジネスを創出して地域を活気づける取り組みだ。リノベーションスクールを開催したところ、提案が事業化されて野菜とお酒のバルが開業するなど、早くも成果が現れている。
□人口減少・地域再生に挑む/田中輝美
「本当の豊かさ」を求めて
──「移住女子」の現状
「移住女子」という言葉を聞いたことがあるだろうか。都市から地方に移住する女性のことを指し、関連したシンポジウムの開催やメディアで取り上げられる機会が増えるなど注目が高まっている。ただ、他の分野でも「○○女子」があふれる昨今、移住女子もよくあるブームの一つだと感じる人もいるかもしれない。本当にそうなのだろうか。移住女子の現状や実例、受け入れ側の地域に求められることなどを2回にわたってリポートする。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
議員報酬の算定基準を「浦幌方式」として提示
──北海道浦幌町議会
北海道浦幌町議会は3月6日、「第2次議会の活性化・議員のなり手不足検証最終報告書」をまとめた。その中で独自に議員報酬の算定基準を「浦幌方式」として提示。町民との意見交換を重ね、積極的に情報発信してきたこともあり、ほとんど批判の声はないという。前回統一選で、議員定数を減らしながらも欠員が生じた浦幌町議会。「チーム議会」として議員・議会事務局が一丸となって議会活性化に挑む同町議会を取材した。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 地方自治に関する憲法改正論議
□「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ/後藤好邦
電子決裁導入のポイントとは──電子化に乗り遅れないために…
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 広瀬淡窓(三) 名代官のブレーンになる
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□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□Gove Tech~デジタル時代の自治体イノベーション/後藤 浩
□自殺対策最前線「生きる支援」を、地域から/清水康之
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク【あやめガールズ(茨城県潮来市)】
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『あそびの生まれる場所──「お客様」時代の公共マネジメント』西川 正]
カラーグラビア
□自治・地域再興
[宮脇 淳・北海道大学教授]
単純な分権か集権かの議論を超えてミルフィーユ型も視野に

地方分権改革推進委員会は2007年5月30日、「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方」で「地方政府の確立」「完全自治体」を目指すと謳った。あれから10年。同委員会事務局長だった宮脇淳・北海道大学教授は、単純な分権か集権かの議論を超えてミルフィーユ型(多層型)も視野に入れた議論の必要性を強調する。
□山間海間/芥川 仁
他所者も受け入れる包容力ある漁業──神奈川県足柄下郡湯河原町福浦
□手業手技/大西暢夫
伝統の雄勝硯を守り継ぐ──硯職人・樋口昭一(宮城県石巻市雄勝町)
□ドキュメントW──戦火の日常を撮る/綿井健陽
政治家の言葉が映し出す社会の内面
□人と地域をつなぐ──ご当地愛キャラ/はにぽん(埼玉県本庄市)
□クローズ・アップ
風評を超えて、コイ料理の街になる──福島県郡山市
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■DATA・BANK2017 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
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