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「現代のエスプリ」休刊のご挨拶
「現代のエスプリ」は昭和38年に株式会社至文堂より、現代社会の問題を心理学等の様々な切り口で解説する雑誌として創刊されました。平成21年の業務統合後は、当社より刊行を続けておりましたが、雑誌経営を取り巻く厳しい状況に鑑み、今年9月発売号(通巻531号)をもって、休刊することといたしました。
この間に賜りましたご厚情並びにご支援に対し、あらためて心から御礼申し上げます。
今後も良書の発行に尽力してまいりますので、引き続き当社出版図書をご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
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人が人に強い影響力をもたらすカウンセリング、心理療法のなかで、言葉を介さないものはありません。人がその思いを伝えるときたいていの媒介物は言葉であり、直接的な体験はその後からになります。本特集は、心理療法のスタイルを紹介しつつ、そこで言葉がどのように扱われているかについて概観します。
東京国際大学 妙木浩之/編集
ISBN:978-4-324-09030-5
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●概説/心理療法における言葉
/東京国際大学 妙木浩之
●第一章 臨床における言語と行動
・心理療法におけることば――認知行動療法の立場から
/東京大学 下山晴彦
・認知行動療法における言葉の使い方
/洗足ストレスコーピング・サポートオフィス 伊藤絵美
・催眠と言葉
/静岡大学 笠井仁
●第二章 臨床的コミュニケーションの言葉
・家族療法における言葉の使い方
/東京大学 中釜洋子
・解決を志向する言葉――ソリューション・フォーカスト・アプローチから
/原宿カウンセリングセンター 田中ひな子
・コミュニケーションにおける言葉――拘束からの脱学習
/東北大学 若島孔文
●第三章 表現のための臨床の言葉
・情動と言葉――感情焦点化療法の立場から
/お茶の水女子大学 岩壁茂
・プレイとことば――パーソナルな空間の中で
/医療法人水明会佐潟荘 増澤菜生
・言葉と描画の橋渡しら――絵画療法の視点か
/札幌学院大学 寺沢英理子
●第四章 言葉の深層へ
・原初的意味へと向かう会話――言葉の母国語性を手がかりに
/神戸大学 森岡正芳
・「死者への語らい」としての分析心理学における言葉
/京都大学 田中康裕
・解釈の言葉はどこから生まれてくるのか
/十川精神分析オフィス 十川幸司
・精神分析と言葉――北山理論に寄せて
/?浜相原病院 鈴木聡子