弁護士研修センター運営委員会主催の「弁護士専門研修講座」書籍化シリーズ第12弾。
平成20年秋冬に実施した『労働法』講座の講義録です。
労働事件が増加している現在、労働法の分野における弁護士業務は、弁護士にとって極めて重要で、習熟した技量を要する分野です。
本書は、昨今の裁判所の対応を含め、同制度に習熟し、実践的弁護活動ができる素養とノウハウを身に付けるのに最適です。
講師は、東京弁護士会の労働法制特別委員の弁護士のほか、同委員会所属の企業内弁護士、さらには東京地裁民事第36部(労働部)の裁判官(当時)等が担当。
書籍化に際し、講義内容に、経験弁護士(職務経験を既に有する弁護士)向けの解説を加え、必要な資料を添付した、専門的かつ実務的な一冊です。
経験弁護士向けの高度な内容ではありますが、講義録をもとにしているのでわかりやすく、コンパクトな内容となっており、入門書としても最適な書籍です。
目次
1 労働訴訟の典型的類型と主張・立証のポイント
・労働訴訟、労働審判、仮地位仮処分の各手続
・労働事件における典型的類型とそのポイント
2 成熟する労働審判手続と、代理人による工夫
〔早わかり労働審判〕
・労働審判手続とは?――制度の内容
・労働審判制度の運用状況
〔パネルディスカッション〕
・手続選択のポイント(訴訟、仮処分、少額訴訟、行政あっせん手続との振り分け)
・依頼者への手続説明のポイント
・申立書作成の際に留意すべきポイント
・書面の分量
・主張は最初から全部出すべきか
・悪性主張・立証の適否(審判員向け)
・時系列表添付の適否
・陳述書提出の適否ほか
〔質疑応答〕
3 社内弁護士による労働問題への関わり――退職、ハラスメント、メンタルヘルス事案を題材として
・社内弁護士から見た労働問題の特色
・退職事案
・ハラスメント事案
・メンタルヘルス事案
4 労災事件――過労死・過労自殺を中心にして
・概論
・過労死・過労自殺事件の労災申請と行政訴訟
・過労死・労災自殺事件の企業責任
・過労死・過労自殺を予防するための法律家の役割
5 最新裁判例と、求められる実務対応
〔労働法総論〕
・憲法関連事件
・労働者概念
・使用者概念
〔企業内での労使紛争類型とその処理に関する諸問題〕
・労働基準法上の基本原則と就業規則をめぐる諸問題
・採用・就職(労働関係の成立)に関する問題
・非典型雇用に関する問題
・労働時間に関する問題
・賃金・退職金に関する問題
・人事異動――配転・出向等
・その他の労働契約履行に関する問題
・企業の知的財産権と労働者の権利の調整ほか
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講師等紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
三浦隆志/現・東京地裁民事第1部判事(講演時:東京地裁民事第36部判事)
芦原一郎/弁護士(東京弁護士会所属)
三森敏明/弁護士(東京弁護士会所属)
佐々木亮/弁護士(東京弁護士会所属)
軽部龍太郎/弁護士(東京弁護士会所属)
川人博/弁護士(東京弁護士会所属)
岩出誠/弁護士(東京弁護士会所属)