
「議員力検定(※1)」発起人でもある著者(検定協会共同責任者)が、新しい概念「議員力(※2)」について提言する書。
議会、議員、そして市民に、求められている役割を章立てでわかりやすく解説。
議会活性や地方分権推進のために何ができるか、何をすべきかを説いています。
地方自治体や地方議会に長年携わっている著者ならではの視点で議会や議員のあり方を客観的に分析し、今までの議員とこれからの議員に求められる資質の違い等を、具体例もまじえながら端的に紹介しています。
最終章の座談会では、2009年5月からスタートした「議員力検定」の立上げ理由や実施後の反響等も語られています。
※1 議員力検定…
議員のレベルアップ、住民たちと議会の距離感の払拭をねらって、有限責任事業組合「議員力検定協会」が始めた検定。
2009年5月に第1回検定が実施され、マスコミでも話題になりました。
2010年1月24日には第2回検定が実施され、それ以降も年2〜3回の頻度で開催される予定。
議員向けと一般向けと、学生向け(ジュニア版)の3つから成り、地方自治や議会運営の幅広い知識を問う筆記試験。
※2 議員力…
議会というしくみを正しく理解して、市民としてあるいは議員として使いこなしていく力。
議会力と議員力と市民力の3つの力の総合力をいいます。
目次
序章 わたしたちと議会
1 議会「力」
◆議会という現場をめぐって
なぜ、議会は何もしていないように見えるのか/ほか
◆議決責任という考え方を目指して
地方議会に与野党はあるのか/「議決責任」という考え方を導入する/ほか
2 議員「力」
◆議会は議員の力を育てているか
議員はどのように育成されるのか/当選回数という序列/議会力を担うことができる新人議員の育成/ほか
◆いま議員に求められている政策力とは
まずは評価する力を/財政を見通す力/市民の声から政策課題を引き出す力/制度の限界を知る力/ほか
◆議会のプロフェッショナルとしての議員になる
会議規則の理由を知る/交渉力/プロ議員か、アマチュア議員か/ほか
3 市民「力」
◆市民が議員力を生み出す源泉である
市民と議会の関係の中に改革の本質がある/中身のないパフォーマンスを見抜く力/ほか
◆逃げられない市民の責任
負の遺産を背負うのは住民/いまここにある将来の選択をどうするか/ほか
4 座談会――「議員力」を考える
廣瀬克哉(法政大学教授)×江藤俊昭(山梨学院大学教授)×新川達郎(同志社大学大学院教授)
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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
廣瀬克哉…ひろせ・かつや/法政大学法学部教授、自治体議会改革フォーラム代表。議員力検定協会協同代表、検定委員長。