

器財とは、生活の中で用いられるいわゆる生活具です。
日常の生活する空間を彩る調度品や衣服であり、狩猟したり、農耕したりする際に使う道具であり、生活を取り巻くすべての器物であり、社寺における信仰の場、宮中や特別な場における儀式具や祭礼道具など、特殊な場における器物類も含む非常に幅広い言葉です。
本号では、時代によって様々な意味を付与されながら、多様に変化してきた装飾文様としての器物について、その様相を概観してみます。
伊東哲夫/著
ISBN:978-4-324-08726-8
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●はじめに
●器財とは
文様――かざりの歴史/仏教の荘厳としての器物/文学意匠の表現 文学意匠の表現技法――芦手絵、留守文様/吉祥を表す器物 吉祥について/薬玉・熨斗/宝尽し/器物文の多様化と自由な意匠/判じ物(見立て)/奇抜な造形、武家の矜持/変り兜/武器・武具尽くし・矢羽根/器物を装う
●図版目録
●参考文献
●特別寄稿
器物文――江戸の粋を読み解く
/平野英夫